研 究 会・総 会  情 報  2005〜2010年度




北海道民族学会 2010年度 第2回研究会

■開催日時・会場
   日 時:2010年11月13日(土)13:00〜17:00頃(予定)
   会 場:帯広畜産大学 講義棟34番教室(講義棟3階)
         〒080-8555 北海道帯広市稲田町西2線11   学内地図
(正門から入って正面に総合研究棟1号館が見えます。時計台が着いている建物が1号館です。その1号館の右側(北側)に図書館が隣接しています。図書館から入り、直進して講義棟に移り、階段を上がり3階へ)
   テーマ:「動植物の資源化と生業」
   

■研究会プログラム

【基調講演】
13:00〜14:00:
「ヤクの飼養管理」 本江昭夫氏(帯広畜産大学・教授)
ヤクは、ウシ科ウシ属に分類される偶蹄目の家畜である。家畜ウシの近縁種であり、交雑して雑種を生産することができる。雑種のメスは正常な繁殖能力を持ち、ミルク生産に利用される。雑種のオスは生まれつき生殖能力を持っていない。しかし、極めておとなしい性格と体格の大きさから、荷物の運搬に重宝されている。
平均標高が4500mのチベット高原で生活する遊牧民にとって、ヤクは極めて重要な家畜となっている。畑の耕起などの労役、荷物の運搬、ミルク生産、屠殺して肉や皮の利用、燃料としての乾燥糞の利用など、多方面で利用されている。今回は、ヤクの飼養管理を中心として、ヤクの特性について紹介したい。

   


【研究発表】
(1)14:15〜14:45
土屋志野さん・本間淳美さん・石井智美さん(酪農学園大学)
「女子大学生の「食事を摂る」ことの現状・意識〜食はどこへ向かっているかの一考察」
ヒトにとって「食べる」ということは、生きていくために不可欠である。現在摂っている食事の内容が今後の健康状態に大きな影響を与え、生活習慣病の発症にも関与すると言われている。そうした食は、個人の属性に関わるところが大きい。食べものに関する情報が溢れている今日、女子大学生の食事の現状を、喫食量、食べたものをすべて写メールに撮る、アンケート等の手法で調査し、学際的な見地から検討を行った。

(2)14:45〜15:15
越智良太さん・石井智美さん(酪農学園大学)
「モンゴル遊牧民の食の中の家畜」
モンゴルではモンゴル5畜と呼ばれるヒツジ、ヤギ、ウシ、ウマ、ラクダが飼われてきた。モンゴル高原で暮らす遊牧民にとって家畜は財産であり、貴重な食糧、資源である。モンゴル遊牧民の家庭に滞在し、家畜の種類別による生きた利用として毛の利用、搾乳した乳の連続的な加工と食利用と、屠殺後の内臓、肉、脂、皮の利用方法を調査した。家畜の恵を活用するために多くの技術が伝承されてきたが、21世紀に入り変化が起きている。

休憩 15:15〜15:30

(3)15:30〜16:00
中田篤さん(北海道立北方民族博物館)
「トナカイの家畜化・資源化と牧畜について」
ユーラシア大陸北部の各地では、トナカイを家畜化し、重要な資源として活用する牧畜がおこなわれてきた。しかし、自然環境や民族文化、政治・経済的要因によって、その形態には多様な変異がみられる。特に旧社会主義国では、農牧業の集団化とその後の自由化がトナカイ牧畜に多大な影響を与えてきた。本発表では、トナカイの資源化について概観するとともに、特に現代ロシアにおけるトナカイ牧畜について、事例を元に報告する。

(4)16:00〜16:30
石井智美さん(酪農学園大学)
「動物資源を用いてきた内陸アジアの食における小麦粉と芋」
内陸アジアは地理的に東西交流の中央に位置し、長い間様々な物資、技術が往来してきた。そうした土地で移動を主体とした遊牧民の食は、家畜資源の利用のウエートが大きいとされてきた。近年、モンゴル遊牧民の食において、小麦粉、芋といった自ら生育に関わることが無い植物性の食材の利用が増えている。内陸アジアの遊牧民の植物性食材の利用について、カザフスタン、キルギスの遊牧民の小麦粉・芋の料理方法を含めて報告する。

休憩 16:30〜16:45

16:45〜17:15 総合討論 (司会進行:平田昌弘さん<帯広畜産大学>)

   

■懇親会 17:30〜19:30
会 場:帯広畜産大学 かしわプラザ・コンベンションルーム
予 算:3000円
    【申し込みが必要です。 11月4日までに、masaobihiro.ac.jp(平田昌弘)宛てに申し込んでください】
                              (☆→@に)

■札幌からのアクセス

≪JR札幌駅→JR帯広駅≫
札幌8:02―スーパーとかち1号→10:41帯広
札幌9:04―スーパーおおぞら3号→11:35帯広

≪JR帯広駅→帯広畜産大学≫ 交通案内図
*タクシーを利用する場合
 JR帯広駅からタクシーで約15分、約2000円

*バスを利用する場合 交通案内図【バス】
(JR帯広駅前からバスに乗り、緑陽高校前で下車、帯広畜産大学まで徒歩(約15分)となります。)
JR帯広駅→緑陽高校前
 JR帯広駅前・乗り場9番
 バス番号70番「大空団地線」に乗車、『緑陽高校前』で下車(約30分、400円)
 JR帯広駅前11:02発・11:32発・12:02発・12:32発

≪緑陽高校→帯広畜産大学≫ 
 徒歩 約15分  交通案内図


■帯広畜産大学から札幌へのアクセス
≪帯広畜産大学→JR帯広駅≫
*タクシーを利用する場合
タクシーを大学に呼び、帯広畜産大学からJR帯広駅までタクシーで約15分、約2000円

*バスを利用する場合、
(帯広畜産大学から緑陽高校前まで徒歩(15分)、緑陽高校前からバスに乗り、JR帯広駅に)
 緑陽高校前→JR帯広駅(約30分、400円)
 緑陽高校前発17:15発・17:45発・18:15発・18:45発・19:15発・19:45発・20:35発

≪JR帯広駅→札幌≫
帯広17:44→20:13札幌、帯広19:35→22:12札幌、帯広20:43→22:58札幌(最終)

*ご案内(pdf)*


北海道民族学会 2010年度 第1回研究会・総会

■開催日時・会場
   日時: 2010年7月11日(日) 【研究会】 14:00-16:20  【総 会】 16:30-17:00
   会場: 北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟(通称:W棟)W309教室
         (札幌市北区北10条西7丁目、地下鉄南北線北12条駅下車・徒歩10分)

■研究会プログラム 14:00〜16:20

(1)14:00-14:30
長堀智香子さん(札幌国際大学大学院 地域社会研究科 修士課程)
「ベナン共和国における周産期の国際医療協力と伝統的民俗への拘りについて」
 ベナン共和国は西アフリカに位置し、人口約750万人、46部族が混在する多民族国家である。発表者のこれまでの研究では母子保健指標の地域差は、その地域の保健施設利用環境による影響だけではなく、文化的な周産期における民俗の残存度による影響が関連していた。本報告は、そのデータ収集で得られたベナン共和国全12県の助産師の自由回答方式のアンケート内容と伝統的産婆(マトロン)への聞き取り調査の中から、妊娠・出産に関連する民俗への拘りについて発表する。そうした拘りを理解することで文化的健康観を尊重した国際医療協力の可能性が広がることについても言及する。

(2)14:35-15:05
滝口 良さん(北海道大学大学院 文学研究科 博士後期課程)
「文化の裏側:モンゴル・ウランバートル市のゲル地区の表象と管理」
 市場経済への体制転換以来、モンゴル国首都ウランバートル市では、近代的なアパート地区から区別された「ゲル地区」の問題が大きなものとなっている。伝統的移動式家屋である「ゲル」の名を冠したこの地区の表象は、「ゲル地区」に対する政策の変化と同様に変化してきた。本発表では社会主義時代の映画作品における「ゲル地区」と現代の都市文化における「ゲル地区」をとりあげ、「ゲル地区」をめぐる想像力の系譜をたどることをめざす。

<休憩 15:05-15:15>

(3)15:15-15:45
甲地利恵さん(北海道立アイヌ民族文化研究センター)
「アイヌ音楽の歌唱形式について―ポリフォニーの視点から―」
 アイヌの伝統的な歌謡の歌唱形式の種類について、最近の情報や調査結果を重ね合わせながら整理を試みる。とくにポリフォニーという視点を得てアイヌ音楽を捉えなおす試みの第一歩としたい。なおポリフォニーとはこの場合、複数の音高が同時に聞こえてくるタイプの音楽やその亜種をすべて包含する語として用いている。

(4)15:50-16:20
岩崎 グッドマン まさみさん(北海学園大学)
「バージャー調査からマッケンジー・パイプライン建設計画への変化」
 カナダ・イヌイットは土地諸権利の交渉を経て、現在、カナダ社会における経済基盤の確立へと歩んでいる。1970年代にバージャーによって行われたパイプライン建設へ向けた社会・文化影響評価の結果、建設計画を拒否し、狩猟の伝統を守ることを選択したイヌヴィアルイトたちは、約20年を経過した現在、パイプライン建設を受け入れ、新たな時代の扉を開けようとしている。2010年に入って公開されたマッケンジー・パイプライン建設社会・文化影響評価の内容を分析し、イヌヴィアルイトが直面している課題について考える。

■総 会 16:30-17:00

*議事録はこちらをご覧ください。



北海道民族学会 2009年度 第2回研究会

■開催日時・会場
   日時: 2009年11月7日(土)15:20-17:20
               8日(日) 9:30-12:00
   会場: 道立北方民族博物館(網走市字潮見309−1)
   特集テーマ:「映像に見る文化の諸相」

≪博物館へのアクセス≫
 博物館へはこの時期、バスの便がありません。各自でタクシーなどをご利用ください。
  (網走駅前から1600円程度)

■プログラム

<1日目 11/7(土)>
(1)15:30-16:00
渡部裕さん(北海道立北方民族博物館)
「ペレストロイカ以降のカムチャツカの先住民社会」
 ペレストロイカ以降のソ連体制崩壊、経済危機は旧ソ連の市民生活を直撃した。カムチャツカの先住民社会もそれらの大きな影響を経て、今日に至っている。本発表ではペレストロイカ以降のカムチャツカの先住民社会のおかれてきた状況について、現地における聞取りをもとに、下記にあげた政治的経済的視点から報告する。
1.ソ連体制崩壊は先住民社会になにをもたらしたか−ソホーズ・コルホーズの解体が意味するもの−
2.ロシア経済の回復とカムチャツカの先住民経済
3.プーチンの政治改革と先住民の政治的環境の変化


(2)16:00−16:30
笹倉いる美さん(北海道立北方民族博物館)
「ウイルタの映像について」
1.ウイルタの画像的記録について概要を描く。
2.昭和13(1938)年に民俗学者の宮本馨太郎氏が樺太郊外のオタスで記録した16mmフィルムについて紹介、上映を行い、他媒体記録との比較及びオタスの変化について考察する。
3.北海道立北方民族博物館が平成9(1997)年から網走で行った映像記録について紹介するとともに、博物館が映像記録を行うことの意義について考察する。


16:30−16:50<休憩>

(3)16:50−17:20
加藤絢子さん(九州大学博士後期課程)
「サハリン少数民族と国境」
 日本統治下のサハリン南部では、1925年の日ソ基本条約による国交回復以後、国境取締法(1939年)を経て、日ソ国境警備が強化されていった。今回、1930年代以降の樺太庁予算関係資料をもとに、従来具体的な内容が明らかでなかった、樺太庁によるウィルタ、ニヴフなどの少数民族の諜報活動起用について報告する。


☆ 懇親会 18:15〜20:00
   会 場:温泉旅館もとよし
   会 費:5千円
 
*参加ご希望の方は10月31日(土)までに北方民族博物館・中田さんへお申し込みください:
   nakada_atsushi☆hoppohm.org (☆を@に変えてください) 
   電話 0152-45-3888 FAX0152-45-3889

*研究会終了後、博物館から懇親会場まで送迎バスがあります。
また懇親会終了後、希望者は網走湖畔で開催中の「モヨロの夜祭り」会場へご案内します(その後、網走駅方面への送迎もあります)。

*懇親会場の旅館に宿泊ご希望の方も同上・中田さんにお問い合わせ・お申し込みください。懇親会費込み(朝食付き)で1泊1万円です。ただし男女別の相部屋となります。人数に限りがありますのでお早めに。

<2日目 11/8(日)>
(1)9:30-10:00
中田篤さん(北海道立北方民族博物館)
「タイガ型トナカイ牧畜の多様性について」
 ユーラシア大陸北部で営まれてきたトナカイ牧畜は、自然環境やトナカイの形態、管理する群の規模や利用方法などの特徴から、大きくツンドラ型とタイガ型に二分されてきた。しかし、タイガ型と分類されているトナカイ牧畜であっても、携わる民族の文化や地域的特性、時代背景などによって、その展開は多様である。本発表では、映像資料によってタイガ型トナカイ牧畜の事例をいくつか紹介するとともに、その多様性について考察してみたい。


(2)10:00-10:30
平田昌弘さん(帯広畜産大学)
「「遊牧の終焉」:映像記録の写実性と意義」
 遊牧民の定住化が、アジア大陸全域で確実に進行している。定住化にともなって、飼養する家畜の頭数が減少し、何千年かけて蓄積してきた遊牧技術の多くが消失しようとしているのである。それは、人びとの生活にとって、まことに寂しいことであり、人類の有形・無形の文化遺産を消失してしまうことは大変残念なことである。今回の発表では、遊牧の生業項目の中心にある乳文化を取り上げて、映像記録の内包する写実性と映像アーカイブの意義について検討してみたい。

10:30-10:50<休憩>

(3)10:50−11:20
大西秀子さん・石井智美さん(酪農学園大学)
「パラグアイと日本の喫茶の比較」
 お茶は世界中で一番飲まれている嗜好飲料である。日本では煎茶をはじめ、コーヒー、紅茶を含めた喫茶が盛んで、芸術として茶道も成立している。パラグアイでは日系人社会が形成され、そこでの喫茶は、日本からの輸入緑茶をはじめ、パラグアイ産のマテ茶が中心である。日本とパラグアイの喫茶を比べると茶葉の扱い、飲用方法、道具などは異なるが、茶を飲むことで、心がほっとするなど、特殊な役割を持つ食品であることが同じであった。

(4)11:20−11:50
篠藤シルビア真弓さん・石井智美さん(酪農学園大学)
「パラグアイの食と健康観〜栄養学的視点から」
 日系人の見地から両国の食と健康観の比較を試みた。日本では食品の摂取において、老若男女を問わず「健康によい」ことがその選択基準になっていた。そしてサプリメントの消費量が多かった。パラグアイでは伝統的な芋のほか、肉と各種ジュース類の摂取量が特に多く、満腹になるまで食べている。そのため、肥満が社会において問題となっている。日常的に薬草を多く利用しているが、健康に対する関心は日本のように高くはない。



    



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●北方民族博物館では11/7(土)の午前中より、下記の事業を行っています。
10:00-12:00
学芸員講座「サケ餃子づくり」
講師:渡部裕さん(北方民族博物館・学芸主幹)
13:30-15:00
「環オホーツクの民族音楽事情」
講師:大島稔さん(小樽商科大学・教授)、甲地利恵さん(北海道立アイヌ文化研究センター・研究員)

詳細は、北海道立北方民族博物館HPをご覧ください。





北海道民族学会 2009年度 第1回研究会

■開催日時・会場
  日時: 2009年7月11日(土)14:00-
  会場: 北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟(通称:W棟)309教室
       (札幌市北区北10条西7丁目、地下鉄南北線北12条駅下車・徒歩10分)

■研究会プログラム 14:00〜16:25

(1)14:00-14:30
矢崎春菜さん(北海道大学大学院文学研究科 修士課程)
「アイヌの「山姥・山男」伝承をめぐって」
アイヌには様々な「妖怪」が伝承されている。本発表ではその中から「山姥・山男」の登場する物語を『日本昔話通観』をもとに収集し、アイヌの妖怪の地域的な特徴・性質の相違、また和人の妖怪との共通点や相違点について考察する。その結果、アイヌの伝承における「妖怪」に、特徴的な地域差(特に北海道と樺太の間で)が見られることが確認できた。

(2)14:35-15:05
久井貴世さん(北海道大学大学院文学研究科 修士課程)
「タンチョウと人との関わりの歴史―北海道におけるタンチョウの商品化及び利用実態を中心に―」
タンチョウGrus japonensis は、かつて北海道の各地に広く生息していたが、現在は主に北海道の東部に生息するのみで、大正期には絶滅したとまで言われていた。その原因の一つは、明治の混乱期における乱獲であるとされているが、タンチョウは明治以前から蝦夷地の名産品として活発に利用されてきた。
本発表では、タンチョウを減少させた要因の一つとして「タンチョウの商品化と利用」を取り上げ、その実態を明らかにするとともに、タンチョウの利用が始められた時期についても考察する。

<休憩 15:05-15:20>

(3)15:20-15:50
上原周子さん(北海道大学大学院文学研究科 専門研究員)
「多民族集落における紛争の抑制と協力の形−中国青海省海東地区の事例から−」
中国青海省海東地区A集落には現在、チベット族、回族、漢族が同居する。本集落では民族間の争いが日常的に勃発してきたが、近年はチベット族が紛争回避や予防を行うことによって民族間の争いが減少し、それと同時に協力関係の形成が促進されている。
本発表ではチベット族の語りから、彼らが民族間紛争を抑制する背景についての分析、考察を行う。そこから多民族共生のための新たな指針を探りたい。

(4)15:55-16:25
林美枝子さん(札幌国際大学 教授)
「新たな健康文化の創造 医療人類学から見た森林療法の取り組みについて」
補完・代替療法(Complementary Alternative Medicine CAM)の実施率が日本やオーストラリア、欧米各国などで急激に高まり、補完・代替療法に関する研究、及び政策的対応が開始されたのは1990年代のことである。日本のCAMは、医療先進国の中では最多の利用率を誇っているが、その効果や医療費への影響に関しての研究は2000年代に始まったばかりである。
本報告は、日本発の新たなCAMの創造とも言える森林療法に関して、その経緯と現在の取り組み状況に関して医療人類学の視点から報告するものである。

■総 会 16:45〜17:15

*議事録はこちらをご覧ください。





北海道民族学会 平成20年度(2008)第2回研究会

■開催日時・会場
  日時: 2008年12月7日(日)14:00-16:10
  会場: 北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟(通称:W棟)309教室
       (札幌市北区北10条西7丁目、地下鉄南北線北12条駅下車・徒歩10分)

■プログラム:
(1)14:00-14:40
佐々木俊介さん・平野佑昴さん(札幌国際大学大学院地域社会研究科 修士課程)
「日本海北部鰊漁の復活の取り組みと文化的な背景について」
日本海北部の漁場に回帰した鰊に関して、その契機となった施策的取組みに関して、道庁や関連施設、団体における調査結果を報告する。また鰊漁に関するかつての文化的背景に言及しながら、鰊の回帰を受けて、あらたに生起した社会・文化的な動きに関しても考察する。

(2)14:45-15:25
遠藤真貴さん(北海道大学大学院文学研究科 修士課程)
「アイヌの「履物」に関する文献調査―『アイヌ民俗文化財調査報告書』を中心に」
アイヌの「履物」に関する過去の研究成果によると、アイヌが様々な素材の履物を自製し、状況に応じて利用していたことは明らかである。しかし、時代差や地域差、周辺社会の衣文化の影響は捨象されがちである。本報告は、アイヌの「履物」に関連する聞き取り資料を元に、本格的な和人の入植が始まる明治以降、北海道アイヌの衣生活における「履物」の位置付けはどのようなものであったかを考察する。 

(3)15:30-16:10
高橋靖以さん(北海道大学大学院文学研究科 専門研究員)
「十勝本別地方におけるアイヌ口頭文芸−特に散文説話について−」
本発表では音声記録と文献資料に基づき、十勝本別地方の散文説話について語りの形式や主な内容等の分析をおこなう。その結果、語りの形式が必ずしも一定しないこと、一部の物語に英雄叙事詩との関連がみられることを指摘する。



北海道民族学会 平成20年度(2008)第1回研究会

■研究会
  開催日時:2008年7月13日(日)13:30〜
  会   場:北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟(通称:W棟)309教室
           (札幌市北区北10条西7丁目、地下鉄南北線北12条駅下車・徒歩10分)
■総会
  開催日時:同日 16:30ころより(研究会終了後同じ会場で)

■プログラム
<研究会>
(1)13:30-14:00
高泉 拓 氏(北海道大学)
「暴力がいかに正当化されるか―ある発砲の正当性とアメリカ「銃文化」」
暴力がいかに正当化されるか」をある発砲事件(服部君事件)の刑事裁判の論議を通じて考察する。資料として公判資料を、方法論として実践論、エスノメソドロジーを用いる。陪審裁判の中で、検察側は被告の発砲を「合理的」でないでないと糾弾する一方、弁護側は発砲者と被害者を「我々/よそもの」の枠組みで論じつつ、銃(を用いる実践)を地域共同体の中に位置づけた。この事例を通じ、銃やその暴力の「正当性」、アメリカ「銃文化」の様態を考察する。

(2)14:00-14:30
スーディ K 和代氏(札幌市立大学)
「沖家室島在住高齢者のライフスタイルと健康度、及び支え合いの考察 」
島民196人で日本最高の高齢者人口74%(2006年)、平均年齢68.3歳(全国平均:43.4歳)の高齢者の島、沖家室島の高齢者は自立度が高く、実態調査(計測、ライフスタイル インタビュー等)の結果、高血圧症は比較対象地と比べて有意に低い(p=0.007)などが明らかになったが、他に二つの特徴がある:
@この島は明治当初からハワイ州を中心とする海外へ移民を多く送り出したが、現在でもそれら移民の子孫と島民が強く繋がっており、ユニークな交流関係が持続されている。
A島民同士の支え合いの仕組みにあり、それにより高齢者が島で生活の持続が可能になっている。限界集落の定義に当てはまるこの島の高齢島民が支え合う仕組み(文化)と島民の高い自立度の関連を考察する。

(3)14:30-15:00
福岡 イト子氏(元旭川竜谷高等学校教諭・郷土部顧問)
「高校生に何ができるのか−旭川竜谷高等学校郷土部『上川アイヌの研究』40年記念復刻刊行をめぐって−」
”滅びゆくアイヌ民族”といわれていた1960年代、高校生に何ができるのか。身近にアイヌの古老たちが、伝統文化を確かに伝承し誇り高く生きている。何としてでもアイヌ文化を後世に残したいとの意気込みが時を超え、40年記念復刻刊行に至った。聞き取り調査と丁寧な手書きの図版は、現在では貴重な資料として小学校総合学習に、ひいては北海道教育大学教育学部旭川校・小樽市立小学校教諭等協力、小学生用「アイヌ語教科書」発刊。副教材作成中であるが、利用状況の今日的課題を提起し報告とする。

<休憩>
15:00-15:15

(4)15:15-15:45
小坂 みゆき氏(北海道大学)
「中国朝鮮族における年中行事の変容 」
中国の少数民族である中国朝鮮族の伝統的行事(年中行事)を取り上げ、現地での調査をもとに、その中で変化しあるいは廃れたものと現在なお維持されているものがあることを報告する。変化したり廃れたりするものについてはその要因としてどのようなものがあるか、維持されているものについては何故それが維持されてきたか、社会環境・経済事情の変化などもふまえてその理由を検討した結果について報告する。

(5)15:45-16:15
Yayuc Napay(ヤユツ ナパイ)氏(京都大学)
「原住民部落における観光事業と伝統文化教育の連結――司馬 庫斯を例として」
1980年代以降、台湾では観光事業が発展し、原住民が居住している地区 は次々と観光地となってきた。「原住民観光」という潮流では、伝統文化が部落発展の最も重要な要素 であり、それを資源として、観光活動と連携して部落を発展させる。そこでは経済的側面だけではなく、教育実践も重視されている。報告者は観光事業と教育のかかわりを中心に、1つの部落を例にして、 具体的なケーススタディを通じて考察する。


<総会>
16:30ころより(研究会終了後)

*議事録はこちらをご覧ください。


北海道民族学会 平成19年度(2007)第2回研究会

■開催日時・会場
  日時: 2007年12月16日(日)14:00-15:40(引き続き16時から講演会
  会場: 北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟(通称:W棟309)
       (札幌市北区北10条西7丁目、地下鉄南北線北12条駅下車・徒歩10分)
■プログラム
(1)14:00-14:30
山田祥子氏(北海道大学)
「ウイルタ語口頭文芸の伝聞形式―サハリンにおける言語接触の可能性」
ウイルタ語の口頭文芸では、伝聞(人から伝え聞いた情報であること)を表わす言語形式がしばしば見られる。本発表では、第一に、このウイルタ語伝聞形式の特徴と機能について考察を述べる。第二に、近隣諸言語との比較をとおして、口頭文芸における伝聞形式がサハリンの地域的特徴であるという仮説を提示する。これにより、サハリンを中心とする地域の言語接触ないし文化接触のようすをさぐる可能性を拡げていきたい。

(2)14:35-15:05
荒山千恵氏(北海道大学)
「人類史における「音」の文化制度化の研究―日本列島出土の音響発生器具を例にして―」
人類史において、人工的な「音」を操作する行為が認められるようになるのは、どのような歴史的状況においてであろうか。本発表では、日本列島から出土した音響発生器具について取り上げ、それらがいつ、どのように出現・展開したのかを、文化制度化という点に着目し、考古学的な分析から検討する。人間と「音」との関わりについての研究は、民族音楽学、音楽史学、音楽心理学など、さまざまな分野に通じる共通テーマである。文字資料や録音技術のない過去の「音」文化をどのように再構成することができるのか、方法論的な模索も含めて発表する。

(3)15:10-15:40
中畑剛氏((株)カンペ共販北海道)
「沖縄県粟国島の水瓶(トゥージ)をめぐる文化の現在」
粟国島の水瓶トゥージは凝灰岩を彫り抜いて作ったこの島独自の民具である。川のない離島における天水を溜める道具で、飲み水や生活用水の確保のために工夫されてきたものであるが、島では門外不出といわれてきたものである。島の説話に登場するとき、水瓶は極めて民俗的な意味付けの対象となっており、水道施設、貯水施設ができた現在でも大切にされている理由もそこにある。本発表では島の人々が、現在水瓶をめぐってどのような文化を維持継承しているのかを発表するものである。

北海道民族学会 平成19年度(2007)第1回研究会・総会

■開催日時・会場
  日時: 2007年7月7日(土)14:00〜17:30
  会場: 北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟(通称:W棟)W309教室
       (札幌市北区北10条西7丁目、地下鉄南北線北12条駅下車・徒歩10分)

■研究会プログラム 
  
◎発表1
 多賀昌江氏(札幌市立大学)
  「排泄時の消音行為と日本人女性−トイレ用擬似音装置にみる羞恥とジェンダー」
  • 日本の公共トイレや大学、企業等の女子トイレには、排泄時の音を消音するための擬似音装置が設置されているところがある。このような、女性が排尿時の音を「恥」と認識し、トイレの水を前後2回流すことで消音する行為は、日本では江戸時代から行われてきた。そして、排泄時の音を羞恥と感じる「トイレ文化」は、現代の日本人女性における消音行為や消音装置として伝承されているだけでなく、男性にも伝播しているといわれる。この発表では、1979年に日本で開発されたトイレ用擬似音装置の開発経緯を紹介するとともに、女性のトイレでの消音行為の事例調査をもとに、日本人女性における排泄行為を規定する「トイレ文化」が、いかに継承され変容してきたかについて考察する。

◎発表2
 西村幹也氏
  「ツァータンの方位観と世界観-水平の彼方にある故郷-」
  • モンゴル北部タイガ地域に住むトナカイ飼育民、ツァータンの方位観、世界観に関する考察。実際の方角と彼らの認識の間にあるズレが存在している。そのズレが実生活にどのように立ち現れるかを報告し、その原因を探ってみたい。土地の呼び名や土地利用の実際の他、シャマンが儀礼時に精霊たちとの旅先に関する言説などから彼らの世界観の構成を試みたい。

◎発表3
 石井智美氏(酪農学園大学)
  「日本人の乳・乳利用意識」

  • 乳は幼いいのちの糧であり、食べものとして広く世界中で用いられている。宗教、地域における食のタブーも、乳に関しては少ない。日本人と乳との関わりは明治以降で、飲用を主とし、世界の乳利用でも独自だ。昨年、わが国で牛乳パッシングが起きた。その論拠は乳科学から容認出来るものではないが、乳の「栄養がある」ことが
    「太る」と連想され、消費も低迷している。日本人の乳、乳利用の意識について検討した。

◎発表4
 林義夫氏(医療法人社団 心友会)
  「未病予治について」
  • 現代は「健康か病気か」で分けているが、古く2000年前の中国の医書に未病の文字 は見られ(黄帝内経)、「未病を治すを上医とし、巳病を治すを下医とする」とある。今日、未病の語は医学、医療の面から消滅し、未病を知るドクターは少ない。未病とは、健康-未病-病気である。今日はメタボリックシンドロームが宣伝され、生活習慣病の上流とされている。私は、上流以前に源流があると主張している。私は「未病予治」なる新日本語熟語を造語し、特許庁より昨年8月9日に認証されている。その詳細につき報告する。
■総会 16:30〜17:30
   2006年度決算報告、2007年度予算案とも、承認されました。

  *議事録はこちらをご覧ください。


北海道民族学会 平成18年度(2006)第2回研究会


■開催日時・会場
  日時: 2006年12月10日(日)13:30〜15:30
  会場: 北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟(通称:W棟)W309教室
       (札幌市北区北10条西7丁目、地下鉄南北線北12条駅下車・徒歩10分)

研究会プログラム

  • 高泉拓(北海道大学大学院)
    「ある発砲事件に見るアメリカ・『銃文化』―フリーズ事件に見る銃暴力のあり方」
    • 1992年に起きた日本人留学生射殺事件(フリーズ事件)をもとにルイジアナ州・バトンルージュ、ひいてはアメリカ・銃文化の諸相を描き出す。より具体的には、事件を引き起こした因果関係の連鎖からバトンルージュの銃文化、銃による暴力のあり方を描写する。公使者が感じた恐怖、銃が存在したこと、加害者と被害者の遭遇、発砲という4つの側面に分けて、その要因から当該地域の当時の様相へと迫るものである。
  • 十川大輝・渡辺佳之・澤見一枝(札幌国際大学大学院地域社会研究科)
    「札幌市の霊園調査を通した墓所文化の現在」
    • 戦後、札幌では市町村合併や道路工事などを理由として自治体主導の集合的な「霊園」が設置された。現在は僅かに残る旧設墓地以外、市営の「公営霊園」、社団法人等が運営の「都市型公園墓地」に分類されている。市営が設置当時の維持管理を継続している一方、その他の霊園では送迎サービスやお参り代行などの工夫を行ったり、誰でもが参加可能な盂蘭盆会を催すなど、従来の墓地が持っていた意味づけは大きく変化しつつある。札幌市の霊園のあり方を通し、都市における墓所の現在について報告する。
  • 松岡悦子(旭川医科大学)
    「出産・育児の文化と睡眠」
    • 近年、産後の睡眠が不規則になることとマタニティーブルーズや産後うつ病との関係がいわれるようになっている。だが、そんな症状がまったく認識されていない文化もある。そのような文化では母子はどのように眠っているのだろうか。



北海道民族学会 平成18年度(2006)第1回研究会・総会

■開催日時・会場
  日時:2006年7月9日(日)13:00-16:00
  会場:北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟(通称:W棟)W202教室
  (札幌市北区北10条西7丁目、地下鉄南北線北12条駅下車・徒歩10分)

■研究会(発表者と題目)

 1.若林 和夫(当学会会員):
  「現代漫画表現とアイヌイメージ 〜他者表現の中のアイヌ〜」

 2.下茂 英輔(北海道大学 院生):
  「資源としてのエスニシティ 〜カナダ・バンクーバーの新移民の語りから〜」

 3.片桐 保昭(北海道大学 院生):
  「地域アイデンティティとランドスケープデザインの構築」

 4.野手  修(藤女子大学):
  「視覚的アポリアとしての未来:チェンナイ市における野外広告」

 

 5.林 美枝子(札幌国際大学):
  「沖縄県粟国島の民俗医療について」

 



総会(16:20-17:00         

1.議題

(1) 2005年度事業報告および決算報告
(2) 2006年度事業計画および予算案
(3) 会則の改正について
以上、いずれも原案通り了承されました。


2.報告事項

(1) 日本文化人類学会の理事改選により、北海道地区からは松岡悦子氏(本会運営委員)が2006-7年度理事として選出されました。これまでどおり、本会との共催で講演会事業を行うことが確認されました。

(2) 昨年度総会で要望の出された学生の会費割引については、運営委員会で協議の結果、見送ることとなりました。理由として、学生会費を設定している学会に比べて本会は会費がさほど高額ではないこと、会費収入に余裕がないことが説明されました。

(3) 会誌の販売価格を値下げしたことに伴い、特に機関購入の可能な会員は購入に協力してほしい旨、報告がありました。


3.意見交換

(1) 各研究機関等で各種講演会を開催する際に、本会の後援を積極的に呼びかけてはどうか?

→本会の周知につながるし、本会からはHP・メーリングリスト等で広報に協力できるので、おおいに利用してほしい。

(2) 昨年度総会でも検討の要望があった修論・博論発表会を企画・実施してはどうか?

→各大学で提出・審査時期がまちまちなうえ、独自に実施しているケースもあるなど、むずかしい問題もある。日本文化人類学会北海道地区主導のかたちで、実施を検討するか、あるいは本会研究会の時間枠拡大で対応するなどのかたちがありうる。



北海道民族学会 平成17年度(2005)第2回研究会

■開催日時・会場

  日時:2005年12月17日(土)14:00-17:00
  会場:北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟(通称:W棟)W309教室
  (札幌市北区北10条西7丁目、地下鉄南北線北12条駅下車・徒歩10分)

■研究会(発表者と題目)

 1.高泉  拓(北海道大学大学院文学研究科博士後期課程):
  「人類学暴力研究の課題」

 2.幅崎麻紀子(北海道大学大学院文学研究科博士後期課程):
  「ネパールにおける<ドメスティックバイオレンス>の社会問題化の過程」

 3.乾  淑子(北海道東海大学):
  「戦争柄着物に見る近代軍艦の発達」

 4.津曲 敏郎(北海道大学):
  「言語と伝統文化の保持に向けて:沿海州ウデヘの事例」

 


2005年度第1回研究会および総会

■開催日時・会場

日時:2005年7月3日(日)13:00-18:00
会場:北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟(通称:W棟)W309教室
(札幌市北区北10条西7丁目、地下鉄南北線北12条駅下車・徒歩10分)

■研究会(13:00-15:00)

1.千田 啓之(北海道大学大学院文学研究科博士後期課程歴史文化論講座)
     「サイバースペースの人類学」

2.西村 幹也(モンゴル情報紙しゃがぁ 代表)
     「トナカイ飼育における群れ管理と馴化技術−モンゴル北部ツァータンの事例−」

3.津田 命子(北海道ウタリ協会)
     「アイヌ木綿衣の比較調査―ロシアと釧路の3資料から―」



総会(15:30-18:00         *詳しい議事録はこちら

.議題

(1) 2004年度事業報告および決算の承認の件
(2) 2005年度事業計画および予算の議決の件
(3) 2005年度からの年会費の徴収額の議決の件
(4) 役員改選について

.報告事項

(1)日本文化人類学会北海道地区からの事業報告および研究懇談会助成金の使途についての報告

.意見交換



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