研 究 会・総 会  情 報

【予 定】


北海道民族学会 2017年度 第1回研究会


■開催日時:2017年6月18日(日) 13:30〜16:00
■会 場:北海学園大学 豊平キャンパス 2号館1階15教室 (図書館玄関左側)
       (札幌市豊平区旭町4丁目1-40、地下鉄東豊線「学園前」駅にて下車 3番出口直結

■研究会(13:30〜15:20)

(1)小川 龍之介 (帯広畜産大学 修士1年)
「屠畜・肉分類と肉利用から観るアムド系チベット遊牧民の価値体系―青海省東部の遊牧世帯における家畜の屠殺・解体の事例を通じて―」
 アムド系チベット遊牧民のヤク屠畜方法、枝肉の解体手順、各部位ごとの名称と特徴を把握し、屠畜から肉解体、各肉部位を分類することにより、屠畜や枝肉解体という行為の背景にある価値体系を明らかにすることを目的とした。彼らの価値体系には、肉の利用における価値観(骨の有無や調理)とおいしさの価値観(食感や肉付き)が基底を成し、そこに対漢民族に対する民族性の強調や仏教思想により文化的なおいしさの価値観が形成されていることが示唆できた。

(2)若林 和夫 (北海道民族学会会員)
「アイヌ遺骨の返還状況とこれまでの経緯」
 昨年夏に杵臼という地域で裁判所の和解に基づき違法な収集が行われたアイヌ遺骨がコタンの会へと返還され、再埋葬儀礼が執り行われた。研究史としてこれまでの経緯を説明し現状についてまとめる。

〈休憩〉(14:30〜14:50)

(3)高橋 靖以 (北海道大学アイヌ・先住民研究センター)
「アイヌ文化におけるパースペクティヴィズムとアフォーダンス」
 本発表では、アイヌ文化におけるカムイ(神)の概念について、パースペクティヴィズム(視点主義)とアフォーダンスの観点から分析する。さらに、近現代のアイヌ文化を考察する上で、上記の分析が有効なものであることを例示する。

〈休憩〉(15:20〜15:30)

■総 会(15:30〜16:00)
・2016年度決算報告、2017年度予算案
・その他


☆学会終了後、懇親会を予定しています。
〔地下鉄豊水すすきの駅周辺 会費約4000円〕

☆研究発表の募集☆→締め切りました

 研究発表ご希望の方は、発表題目と要旨(200字程度)を添えて、学会事務局までE-mail <ktezu★jin.hokkai-s-u.ac.jp 
★→@に変換>、Fax、郵便のいずれかでご連絡願います。Faxまたは郵便の場合は必ず表面に「北海道民族学会事務局」(手塚薫 宛)を明記してください。

        締切:2017年5月31日(水)17:00
 
・発表時間は質疑応答を含め、一人30分程度が目安です(発表者数により増減することがあります)。
・発表希望者が多数の場合は事務局で検討し、人数を調整することがあります。その際、初めて発表される方、前回・前々回発表されていない方を優先することがありますので、ご了承願います。
*発表を希望する方は、2017年度の学会費(3000円)を納入していることが条件となります。





【終了分】  2005〜2010年度はこちらをご覧ください


北海道民族学会 2016年度 第2回研究会


日 時:2016年11月19日(土)・20日(日)
場 所:新ひだか町博物館 多目的集会場
       (〒056-0024 北海道日高郡新ひだか町静内山手町3丁目1 :0146-42-0394)


【1日目 2016年11月19日(土)(13:30〜17:00)】

■特別講演(13:30〜15:00)

  講 師 斉藤 大朋さん(新ひだか町博物館)
  演 題 『史跡シベチャリ川流域チャシ跡群及びアッペツチャシ跡めぐりのコツ』

 〈休憩〉  (15:00〜15:30)

■研究発表(15:30〜17:00)

(1)周 菲菲 (南京航空航天大学)
「地域イメージの生成メカニズムの文化的背景について―中国人の北海道観光を中心に―」
 円安などを背景に増え続ける訪日外国人観光者の中で、特に勢いを増しているのは中国人である。その観光実践の特徴を見てみると、地域イメージを含めた観光そのものの制作及び共有化といった「翻訳」作業において、自治体や観光業者が生産・提示する地域イメージと中国人観光者が実際に消費するイメージにおける矛盾とズレが目立っている。本研究は、そのような地域イメージの生成過程における「比較」の要素及び「観光」と「旅游」についての認識の差異を見つめ、越境的な地域イメージの生成メカニズムの文化的背景を解明してみる。

(2)佐崎 愛 (東北大学文学研究科博士課程前期1年)
「民話における他界観分析―松谷みよ子の事例を通して―」
 現代における日本人の他界観(死後観)を構成する要素はどのようなものがあるだろうか。本発表は、その答えの一つとして、松谷みよ子『現代民話考』(1985〜1996)全十二巻を素材とし、松谷の「現代民話」から他界観を読み取ろうと考え、物語における構成要素分析を行うものである。特に民話中の「よみがえり」の事例を通し、そこに見られる他界の構成要素(例えば花畑や川のイメージなど)にどのような傾向があるかを物語を通して分析する。

(3)平田 昌弘 (帯広畜産大学)
「非乳利用論考:乳利用には進まなかったリャマ・アルパカ牧畜民と家畜との関係性
     ― ペルー南部のクスコ県ワイリャワイリャ共同体のE牧民世帯の事例から ―」
 アンデス高地のリャマ・アルパカ牧畜で搾乳が行われてこなかった要因を検討することを目的とし、ペルー南部で2016年3月にケチュワ系牧畜民を対象に参与観察とインタビューとをおこなった。リャマ・アルパカの母子畜管理の特徴は、母子畜は基本的には自由に一緒に過ごさせ、母子畜を人工的に分離していないことにあった。リャマ・アルパカ牧畜では人工的に母子畜を分離しないことによる母子畜間の関係性維持こそ、搾乳へと向かわせなかった重要な要因と結論づけられた。

☆1日目終了後、懇親会を予定しています。
    〔町内の居酒屋:当日アナウンスしますのでご期待下さい〕


【2日目 2016年11月20日(日)(9:00〜12:00)エクスカーション】

  集 合 新ひだか町博物館玄関前

   (晴天時) 博物館〜アイヌ民俗資料館〜史跡シベチャリ川流域チャシ跡群
   (雨天時) 博物館〜地域交流センター(馬の展示)〜アイヌ民俗資料館

*エクスカーション時に博物館のご厚意で、車両は2台(最大16人乗車可能)用意していただく予定ですが、参加者多数の場合は、自家用車やタクシーなどで適宜対応ねがいます。


主催:北海道民族学会
協力:新ひだか町博物館
後援:日胆地区博物館等連絡協議会

※新ひだか町博物館では、かつて静内高校にあった郷土史研究部・文化人類学の活躍を紹介する企画展「静内高等学校郷土史研究部・文化人類学研究部の足跡」を開催中です。空き時間なども利用してぜひご見学下さい(入館料無料)。


・バス利用上の注意
 バスの時刻表については、道南バス(株) を参照下さい。新ひだか町博物館への最寄りの乗降所は、「静内駅前」ではなく「末広町」です。また、新ひだか町方面から札幌方面行きのバスを利用される場合は、前日までに予約が必要になります。

・宿 泊(重要!) 
 町内の宿泊については、博物館と懇親会会場の近くになるように、新ひだか町博物館を通じて予約をしてもらう予定です(1泊おおよそ5千円から7千円の範囲)。この方法で宿泊を希望される方は、必ず10月31日(月)の午後17時までに学会事務局に宿泊の希望を伝えて下さい。
 宿泊場所の情報については、新ひだか町観光協会 の宿泊施設 を参照ください。



☆研究発表の募集☆→締め切りました

 研究発表ご希望の方は、発表題目と要旨(200字程度)を添えて、学会事務局までE-mail <ktezu★jin.hokkai-s-u.ac.jp 
★→@に変換>、Fax、郵便のいずれかでご連絡願います。Faxまたは郵便の場合は必ず表面に「北海道民族学会事務局」(手塚薫 宛)を明記してください。

       締切:2016年10月15日(土)17:00
 
・発表時間は質疑応答を含め、一人30分程度が目安です(発表者数により増減することがあります)。
・発表希望者が多数の場合は事務局で検討し、人数を調整することがあります。その際、初めて発表される方、前回・前々回発表されていない方を優先することがありますので、ご了承願います。
*発表を希望する方は、2016年度の学会費(3000円)を納入していることが条件となります。





北海道民族学会 2016年度 第1回研究会


■開催日時:2016年7月3日(日) 13:30〜17:00
■会 場:北海学園大学 豊平キャンパス 7号館 D31教室
       (札幌市豊平区旭町4丁目1-40、地下鉄東豊線「学園前」駅にて下車 3番出口直結

■ 研究会(13:30〜15:10)

(1)若林 和夫 (北海道民族学会会員)
「島村孝三郎はなぜ服部四郎へアイヌの研究を勧めたか―戦前戦後の体験者としての考古学者とアイヌ―」
 『アイヌ語方言辞典』には、その調査や編集にかかる経緯や動機、統計分析の結果など、研究史としても興味深い言及に事欠かない。今回はそのうち服部四郎へ動機づけを行った島村孝三郎(?-1966)という人物について彼の経歴と時代背景を見ながら、戦前の学問状況と戦後の「列島回帰」のなかでのアイヌ研究について今一度考えてみる。

(2)梅木 佳代 (北海道大学大学院文学研究科)
「アイヌ民族とオオカミの関係性―『コタン探訪帳』の記述の整理を中心に―」
 絶滅したエゾオオカミ(Canis lupus hattai)とアイヌ民族との関係性について、これまでに明らかにされている知見は更科源蔵氏による報告を典拠とするものが多い。しかし、その報告・記述の内容には、個別の地域で確認された事例を一般化して著述する傾向がみられる。
 本発表では、弟子屈町図書館に残る『コタン探訪帳』からオオカミに関する情報を抽出して個別の事例としてとらえなおし、アイヌとオオカミの関係性について考察する。

〈休憩〉(14:30〜14:40)

(3)高橋 靖以 (北海道大学アイヌ・先住民研究センター)
「アイヌ語における空間指示枠について」
 空間指示の表現は言語人類学における基本的な研究課題の一つである。通言語的観点から水平方向の空間指示枠(frame of reference)には、固有指示枠(intrinsic frame of reference)、絶対指示枠(absolute frame of reference)、相対指示枠(relative frame of reference)の区別があることが知られている。本発表ではアイヌ語における空間指示枠のタイプを概観し、異なる空間指示枠の併用や通時的変化について考察する。


〈休憩〉(15:10〜15:30)

■ 総 会(15:30〜16:00)
・2015年度決算報告、2016年度予算案
・その他
■ 学会賞の表彰式

特別企画 講演会「国立アイヌ民族博物館の展示計画」(16:00〜17:00)
      佐々木 史郎 氏(国立アイヌ民族博物館設立準備室)







☆ 学会終了後、懇親会を予定しています。 〔地下鉄豊水すすきの駅周辺 会費約4000円〕




☆研究発表の募集☆→締め切りました。

 研究発表ご希望の方は、発表題目と要旨(200字程度)を添えて、学会事務局までE-mail <ktezu★jin.hokkai-s-u.ac.jp 
★→@に変換>、Fax、郵便のいずれかでご連絡願います。Faxまたは郵便の場合は必ず表面に「北海道民族学会事務局」(手塚薫 宛)を明記してください。

        締切:2016年6月15日(水)17:00
 
・発表時間は質疑応答を含め、一人30分程度が目安です(発表者数により増減することがあります)。
・発表希望者が多数の場合は事務局で検討し、人数を調整することがあります。その際、初めて発表される方、前回・前々回発表されていない方を優先することがありますので、ご了承願います。
*発表を希望する方は、2016年度の学会費(3000円)を納入していることが条件となります。


*議事録はこちらをご覧ください。


北海道民族学会 2015年度 第2回研究会


■開催日時:2015年12月12日(土) 11:00〜16:50
■会 場:酪農学園大学 C1号館202教室 (北海道江別市文京台緑町582番地)


■特別企画「世界の乳と食の話」(11:00〜12:20)





パラグアイ、ブラジル、モンゴルからの留学生・研修員による各国ごとの食の特徴をスライドをまじえて紹介します。日本語でおこないます。留学生らの手作りデザートも実際に賞味できます!

※会場となる教室は午前10時から使用できます。お弁当の持ち込みも可能ですし、軽食の用意もあります(無料ですが数に限りがあります)。


■昼  食  12:20〜13:20
※昼食は各自で用意してください。(酪農大から簡単なもののご用意はあるそうです!)








■研究会(13:20〜16:50)


(1)13:20〜13:50  山本 香織1 石井 智美2 (1 酪農学園大学大学院  2 酪農学園大学)
「パラグアイと日本における酒の飲み方」
 日本の飲酒に関して「お神酒のあがらぬ神は無し」と言う言葉を知り、酒の飲み方、その周辺に関心を持ち、パラグアイの飲酒との比較を試みた。パラグアイでは、飲酒は外(店舗も含む)で行われ、最初は冷えたビールを飲み、飲み手が何人いてもグラスは一つで、おつまみは基本的に無い。飲み物を買ったヒトが注ぎ手で、集団で飲む。ゆえに日本の独酌と言う習慣が、パラクアイではない。こうした飲酒の背景について検討した。


(2)13:50〜14:20  武富 静江1 石井 智美2 (1 JICA日系研修員 2 酪農学園大学)
「ブラジル日系人の肉と魚への意識」
 ヒトが健康に暮らす上で蛋白質は重要である。日本では長い間動物性蛋白質の摂取源は川や海の魚で、肉食は表には出にくかった。そうした日本からブラジルへ移住した世代は今日4世代となり、毎日の食に占める牛肉の割合は高い。魚の利用は淡水のテラピアをお刺身、揚げ物にする程度だったが、SUSHIほかペルーから南米各国に広がった生魚をサラダ風刺身とする料理セビーチェが好まれ、日系人の間でも新しい魚食料理への関心が高まっている。


<休憩> 14:20〜14:35


(3)14:35〜15:05  岡田 勇樹 (札幌大学大学院)
「アイヌの世界観におけるシカ」
 アイヌは多くのものに霊魂の存在を認め、カムイ(≒神)とみなす世界観を持つ。特に動物はそれらの個体そのものをカムイだと考え、クマやシマフクロウの霊送り「iomante」のように盛大な儀式、他にはiwakte・hopunireといった簡素な霊送り儀礼を行った。一方、シカのように「カムイではない」といわれる存在は儀礼を行うとされる動物とは一定の距離があるとも考えられる。アイヌ研究史における言説および資料から、特にシカに関する世界観を再検討したい。


(4)15:05〜15:35  中村 尚弘 (フィジー南太平洋大学)
「先住民族の権利と先住民族性(Indigeneity)についての一考察:フィジーの事例から」
 フィジーでは先住民族の土地の権利が憲法により保護され、先住民族の社会的関心も優先されてきた。しかし過去のクーデターでは、先住民族の権利の侵害が主張され、インド系政権がその犠牲となった。現バイニマラマ政権は、多民族社会を提唱しインド系フィジー人からも支持を得ているが、先住民族主義者も一定の支持を得る傾向にある。フィジーの事例は、先住民族が多数派である状況下で先住民族の権利が濫用される危険性を示唆している。


<休憩> 15:35〜15:50


(5)15:50〜16:20  荒山 千恵 (いしかり砂丘の風資料館)
「ハマニンニクの利用と「テンキ」」
 イネ科の海浜植物ハマニンニクで作られた小物入れ「テンキ」は、特に千島アイヌによるものが江戸・明治期より知られてきた。本発表では、民族資料にみる実物「テンキ」や絵図などの記録資料をとおして、ハマニンニクを利用したものづくりの特徴について考察する。


(6)16:20〜16:50  甲地 利恵 (北海道博物館アイヌ民族文化研究センター)
「演奏される拍節構造―アイヌ音楽における音頭一同形式の歌を対象に―」
 伝統的なアイヌ音楽における拍節が2拍または3拍を単位とすることは先行研究でも既に指摘されているが、具体的な演奏事例に即して論じられたものは極めて少ない。発表者は、音頭と一同の2声部に分かれて交互に歌う形式の曲を対象に、既刊の音声資料に記録された演奏を分析する。そして、前の声部が歌った旋律を次の声部が繰り返す際の入るタイミングから測る拍節構造を中心に、歌詞の意味からみた区切り感や、手拍子が作り出す一定の律動感との同調・拮抗といった関係性について言及する。





■研究会終了後、懇親会(新札幌)を予定しています。




■研究発表の募集■  →締め切りました。
 
研究発表ご希望の方は、発表題目と要旨(200字程度)を添えて、下記E-mailまでご連絡願います。
    E-mail: iwasaki*jin.hokkai-s-u.ac.jp  
(*を半角@にかえてお出しください)

    締切:2015年11月11日(木) 17:00

・発表時間は質疑応答を含め、一人30分程度が目安です(発表者数により増減することがあります)。
・発表希望者が多数の場合は事務局で検討し、人数を調整することがあります。その際、初めて発表される方、前回・前々回発表されていない方を優先することがありますので、ご了承願います。
*発表を希望する方は、2015年度の学会費(3000円)を納入していることが条件となります。





北海道民族学会 2015年度 第1回研究会


■開催日時:2015年7月25日(土) 13:00〜17:00
■会 場:北海学園大学 豊平キャンパス 7号館 D31教室
       (札幌市豊平区旭町4丁目1-40、地下鉄東豊線「学園前」駅にて下車 3番出口直結

■研究会(13:00〜15:20)

(1)アン・ロスリン(北海道大学大学院文学研究科)
「時空間と博物館関係者の視座―北海道博物館テーマ2を事例として」
 本発表は北海道博物館のテーマ2「アイヌ文化の世界」を事例として、二つ関連している考察を行いたいと思う。まず、北海道博物館の時空間の位置づけをし、今年のリニューアルの内容はいかに過去の展示と未来の博物館文化と対話または対応しているかという、来館者に伝えたいアイヌ文化表象の再構築を考える。博物館とは学芸員、表象された文化(アイヌ民族)、来館者という三つの視座からできた空間である。よって、次の考察は展示の内容とこの三つの視座の位置づけをレヴィ=ストロースのブリコラージュという概念を使い、分析する。

(2)若林 和夫(北海道民族学会会員)
「これまでから考える、これからに必要なこと―総合的研究分野アイヌ研究における「若手育成」と「情報共有」から考える「もう一歩」」
 6月に国の機関で博士論文データーベースが公開された。まだ完全とはいえないようだが若手育成の成果の一つ博論を瞬時に一覧できる。アイヌに関する研究を一覧化するとこれまでの研究の動きのうち一定の傾向を読み取ることができる。そこで従来、研究が議論し実行してきた若手育成の体験談と研究情報共有についての考察から振り返ることで、これからの「もう一歩」を考える。

〈休憩〉(14:00〜14:20)

(3)梅木 佳代(北海道大学大学院文学研究科)
「明治時代以前の北海道における人とオオカミの関係性―札幌の事例を中心に」
 北海道にかつて生息したエゾオオカミ(Canis lupus hattai)は明治時代に絶滅した。過去の北海道における人とオオカミの関係性については、家畜をめぐる軋轢が存在していたことが強く意識され、エゾオオカミがもつ「畜産業上の有害獣」としての一面に基づいて論じられてきた。しかし、過去の人々は大型の野生動物であるエゾオオカミに対し、その存在そのものをヒグマと並ぶ脅威として認識し、あるいは毛皮獣とみなして狩猟・利用することもあった。本発表では、江戸時代後期から明治時代の北海道における人とオオカミの関係性について、現在の札幌市内にあたる地域の事例を中心として考察する。

(4)矢崎 春菜(北海道大学大学院文学研究科)
「アイヌ語「ウェンカムイ(悪神)」がさすもの」
 「ウェンカムイ」は、「ウェン(悪い)・カムイ(神)=悪神」のほか「化け物、魔物」を意味する名称で、日本語で「妖怪」と訳されることがあるアイヌ語の一つである。本発表では、アイヌの物語を資料とし、物語中で「ウェンカムイ」がどのような実体をさしているのかをみていくとともに、アイヌ語で「妖怪」的な存在を表す単語とどのような使い分けがあるのかを考察する。

〈休憩〉(15:20〜15:30)

■総 会(15:30〜16:00)
・2014年度決算報告、2015年度予算案
・2015年度役員について
・その他

・学会賞受賞者発表・表彰式

■特別企画 座談会 「北海道民族学会の回顧と展望」(16:00〜17:00)
岡田淳子×津曲敏郎×中田 篤   
司会 岩崎まさみ

 


*議事録はこちらをご覧ください。



北海道民族学会 2014年度 第2回研究会


■開催日時:2014年11月15日(土)、16日(日)

■会 場:帯広百年記念館 2号室  (北海道帯広市緑ヶ丘2番地 Tel.0155-24-5352)


■研究会1日目 11月15日(土)13:00〜16:50

・13:00〜14:00 帯広百年記念館見学 (13:00までに企画展入口に集合)
平成26年度アイヌ工芸品展・企画展「アイヌの工芸−東北のコレクションを中心に−」および「常設展示室」の見学(帯広百年記念館職員の解説があります。企画展の観覧は無料です)

・14:30〜16:50 第2回研究会研究発表
(1) 西村幹也(NPO法人北方アジア文化交流センターしゃがぁ)
「カザフ人の乳製品 -民族的知識へのアプローチ−モンゴル国バヤンウルギーの事例−」
 乳製品に関して、その製造系列を技術学的に述べたものは数多く存在する。それらは食料としての乳製品の種類、製造方法に関して述べられるが、その乳製品と当事者たちの関係を問題にすることは少ない。本発表では、該当文化の語彙が民族的知識を反映している可能性があるという予想を元に、カザフ人が乳製品をどのように考え、感じながら利用しているかを、語彙や彼らの言説を可能な限り彼ら的な視点から分析、考察してみようと思う。

(2) 山田敦士(日本医療大学)
「研究者にとっての表記と話者にとっての表記−ワ族のリテラシー調査から−」
 中国雲南省に居住するワ族は伝統的な表記法をもたない民族集団である。20世紀になり、伝道のためのラテン文字表記法、中国政府によるラテン文字表記法(正書法)が相次いで導入され、今日に至っている。本発表では、両表記法に対するリテラシーの状況調査および言語学的分析から、表記法に対する研究者と話者の立場、さらに「表記する」ということ自体に対する認識の違いについて考察する。

<休憩 15:30〜15:50>

(3) 足立スサーナ(酪農学園大学、JICA日系研修員)・石井智美(酪農学園大学)
「アルゼンチンのSUSHIと日本食」
 アルゼンチンは移民が多く、日系人は約4万人である。アルゼンチンでは今日、欧米同様、生魚をにぎりの上に載せたSUSHIが流行し、SUSHIイコール日本食と思われている。日系人社会では、各家庭で伝えてきた日本の味を大切にしてきた。SUSHIとなる魚も脂の多いものが好まれ、日本とは異なっている。今後SUSHIを介し和食への関心が高まると思われる。そんなアルゼンチンの日本食について報告する。

(4) 梅木佳代(北海道大学大学院文学研究科)
「絶滅した『日本の野生動物』としてのエゾオオカミをめぐる位置付けと言説の変遷」
 北海道にかつて生息していたエゾオオカミ(Canis lupus hattai)は明治時代に絶滅した。「絶滅した日本の野生動物」としてのその存在は、これまで100年以上に渡ってさまざまな関心の対象とされてきた。本発表では、明治時代以来の日本国内で発行された資料を中心に、エゾオオカミに関わる言説の内容を時代を追って確認する。さらに、北海道のエゾオオカミは、本州以南に生息した「ニホンオオカミ」を比定するための存在としての位置づけに置かれてきたことを明らかにする。




・研究会終了後、懇親会を予定しています。


■研究会2日目 11月16日(日)10:00〜12:00

・特別企画 「音楽ってなあに 〜楽器の文化あれこれ鼎談〜」

 主 催:北海道民族学会  / 共 催:帯広百年記念館

<鼎談者>
 枡谷隆男(ますや・たかお) 北海道立札幌拓北高等学校教諭
 荏原小百合(えはら・さゆり)北海道大学大学院文学研究科専門研究員、札幌大谷大学芸術学部非常勤講師
 荒山千恵(あらやま・ちえ) いしかり砂丘の風資料館学芸員

<司会進行>
 甲地利恵(こうち・りえ)北海道立アイヌ民族文化研究センター研究課長

<概要>
 会員である音楽研究者3名が一堂に会し、それぞれが研究する楽器やそれを生み出した文化について、また研究の課題や展望などについて、気軽に自由に話し合う、北海道民族学会にとって初の試み。
 実演等も交えての、音楽文化研究の最先端をゆく、とことんコアなおしゃべりを、ご一緒にお楽しみください。

  

  



北海道民族学会 2014年度 第1回研究会


■開催日時:2014年7月13日(日) 13:30〜17:00

■会 場:北海学園大学 豊平キャンパス 7号館 D31教室
(札幌市豊平区旭町4丁目1-40、地下鉄東豊線「学園前」駅にて下車。3番出口直結


■研究会(13:30〜16:15)

(1)宇仁義和さん(東京農業大学)
「地元目線でたどるロミン・ヒッチコックの旅程と写真の解読」
 ロミン・ヒッチコック Romyn Hitchcock は明治中頃の1888年に北海道や色丹島を訪れ民族調査を行った。スミソニアン協会の雑誌に発表された報告は『アイヌ人とその文化』として邦訳されている。本論は国立人類学アーカイブ保存のプリント写真とコーネル大学保存の調査日誌から、ヒッチコックの旅程をたどり、撮影場所の特定を試みる。会場ではオリジナルプリントを投影し、判読可能な事象を議論したい。

(2)沖野慎二さん(東海大学)
「『生命科学者』がアイヌ研究に『色目をつかう』とき」
 明治・大正期の多くの「生命科学者」は日本人起源論争(=アイヌ研究)に関心を持ったが、論争が下火になって間もなく、当時論争に不参加だった動物学者・八田三郎が後にアイヌ研究の先鞭をつけた。彼は一体なぜアイヌ研究を始めるに至ったのか。本研究では八田および同時期の他の動物学者たちが刊行した動物学教科書を読み解き、比較検討することで、その理由を検証するものである。

<休憩 14:45〜15:00>

(3)M田信吾さん(総合地球環境学研究所プロジェクト研究員/インディアナ大学人類学部外来研究員)
「環北太平洋におけるニシン歴史生態学−トリンギットとアイヌを例として―」
 環北太平洋の先住諸民族の沿岸海洋資源といえば、まずサケそして海獣哺乳類が挙げられる。しかしニシンも北米北西海岸の文化史において密接かつ重要な役割を果たしてきた。一方、北海道でニシンといえば場所請負制度下で発展したニシン漁、そして明治時代に資本化された漁業の大規模化が浮かぶ。しかし、これら中近世以前のニシン資源利用について議論がされることは少ない。本発表では、考古学や歴史学、そして民族学など様々な分野からの資料を用いて、環北太平洋におけるニシンの重要性を長期的視点で考える。

(4)松井佳祐さん(札幌学院大学科目等履修生)
「ひばりヶ丘公園における河童のうわさの予備的調査報告」
 発表者は、以前沼田町内の弁天公園内池における河童のうわさについて調査・報告した。今回は、その調査時に情報を得た、同じく沼田町内のひばりヶ丘公園の河童のうわさについて、現在までの予備的調査の内容を報告し、今後の見通しを示す。現在のところ、ひばりヶ丘公園の立地と環境、弁天公園のうわさとの関係性からみて、このうわさの広がりは限定的なものと考えている。

■総 会(16:25〜17:00)

議題(予定)
・2013年度決算報告、2014年度予算案
・その他

・学会賞受賞者発表・表彰式


*議事録はこちらをご覧ください。



北海道民族学会 2013年度 第2回研究会


■開催日時:2013年10月26日(土)15:30〜17:15 / 27日(日)10:00〜11:45

■会 場:道立北方民族博物館 講堂 (網走市字潮見309−1)

■特 集 「北の人と暮し」



■研究会1日目  10月26日(15:30〜17:15)

15:30〜16:00

(1)宇仁義和さん(東京農業大学)
「NHKアーカイブスの保存映像に見るアイヌと樺太先住民、そして捕鯨」
 公募研究「NHKアーカイブス学術利用トライアル研究」により、NHKが保存する未公開映像を閲覧した。アイヌは戦前の映像、斜里沖でのアザラシやクジラの銛猟の再現、鯨祭りなどが見られ、樺太先住民は昭和9年(1934)の映画「北進日本」にオタスの様子が描かれていた。また捕鯨では報道姿勢の変容や話者の態度など、文章からは知り得ない情報を得ることが可能であった。当日は保存映像の静止画像に加え、データベース検索の結果を紹介する。


16:00〜16:30

(2)矢崎春菜さん(北海道大学大学院文学研究科)
「河童伝承からみるアイヌ語「ミントゥチ」と日本語「ミヅチ」の関係性」
 アイヌの口承文芸には、「ミントゥチ」と呼ばれる「河童」が登場する。この「ミントゥチ」という名称は、東北地方で河童を意味する「ミヅチ」系の名称がアイヌ語に借用されたものと考えられている。本発表では、この「ミントゥチ」と「ミヅチ」の関係について、アイヌの河童伝承にみられる「河童」たちの名称や特徴に注目しながら、日本(和人)との類似性がみられる伝承とアイヌの独特な伝承があることを確認するとともに、そこにみられる類似性の相違から、どのような借用の可能性があるのかを考察していく

<休憩 16:30〜16:45>


16:45〜17:15

(3)小西信義さん(北海道大学大学院文学研究科)
「除雪具―雪かき(ジョンバ)―の道内での適応性とその製作過程」
 昭和40年代までの代表的な除雪具として、竹製の雪かき(ジョンバ)が挙げられる。氏家(1989)によると、ジョンバは主に玄関先の親雪を簡易的に払う目的で使用され、道内乾雪の除雪に適した道具だと言われている。
 本発表では、積雪統計資料を用い、改めてジョンバの適応性について考察する。また、プラスチック製ジョンバが普及している現在、竹製ジョンバの製作過程を記録に留めるため、旭川在住の籠職人への聞き取り調査も行った。



■研究会1日目終了後、懇親会を予定しています。

☆ 懇親会 18:15〜20:00
   会 場:温泉旅館もとよし
   会 費:5千円

*参加ご希望の方は10月19日(土)までに北方民族博物館・山田さんへお申し込みください:
   yamada☆hoppohm.org (☆を@に変えてください) 
   電話 0152-45-3888 FAX0152-45-3889

*研究会終了後、博物館から懇親会場まで送迎バスがあります。

*懇親会場の旅館に宿泊ご希望の方も同上・山田さんにお問い合わせ・お申し込みください。懇親会費込み(朝食付き)で1泊1万円です。ただし男女別の相部屋となります。人数に限りがありますのでお早めに。



■研究会2日目  10月27日(10:00〜11:45)

10:00〜10:30

(4)田村将人さん(札幌大学)
「樺太アイヌの竪穴住居利用について―岡正雄・馬場脩の調査写真を中心に」
 20世紀初頭まで樺太アイヌは冬季に竪穴住居を利用したことが知られている。これまでの情報源は、主に絵画や民族誌などであったが、北海道立北方民族博物館所蔵の岡正雄・馬場脩の調査写真や、公益財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構所蔵の石田収蔵旧蔵写真などから、再検証を行いたい。

10:30〜11:00

(5)中田篤さん(北海道立北方民族博物館)
「あるオプシーナの挑戦―サハ共和国の事例より」
 社会主義時代に農業を中心とした生産活動を担ってきた集団農場・国営農場は、ソ連崩壊後の新たな社会・経済体制の下でさまざまな経営形態に移行・再編された。本発表では、おもにサハ共和国における調査から、ソ連崩壊後に新しく創出された経営形態の一つであるオプシーナ(氏族経営体)の1つを対象に、その成立と発展、現状を概観し、先住民が伝統的な生業活動を保持しつつ、ロシアの社会経済的環境に適応していこうとする事例について報告する。

<休憩 11:00〜11:15>


11:15〜11:45

(6)山田祥子さん(北海道立北方民族博物館)
「ウイルタの暮しとことば―サハリンにおける言語の伝承と変容」
 サハリン(樺太)の先住民族ウイルタは現在、総人口 300?400 人とみられ、その多くがサハリン中部のポロナイスク市(かつての敷香)と北東部のワール村に居住している。本発表では、ウイルタ固有の言語であるウイルタ語の伝承と変容に焦点を置き、サハリンのロシア社会のなかでウイルタの文化がどのように受け継がれているのかということについて、ウイルタ語の記述的研究と現地調査での見聞にもとづく報告を行う。




■ 講 座 民族学と考古学 学問の系譜 

日 時:2013 年10月26日(土) 13:30-15:00
会 場:北方民族博物館講堂
講 師:岡田淳子道立北方民族博物館館長(北海道民族学会顧問)
参 加:無料
主 催:道立北方民族博物館
後 援:北海道民族学会





北海道民族学会 2013年度 第1回研究会


■開催日時:2013年7月7日(日)13:30〜17:00

■会 場:北海学園大学 豊平キャンパス 7号館 D31教室
(札幌市豊平区旭町4丁目1-40、地下鉄東豊線「学園前」駅にて下車。3番出口直結
   *今回の会場は北海道大学ではありません。ご注意ください。

■研究会(13:30〜16:15)

(1)門田昌大さん(北海道大学大学院文学研究科 修士課程1年)
「民俗芸能の変容の諸層―北海道平取町におけるアイヌ古式舞踊を通して―」
 本発表では歴史的な映像資料を基に、北海道沙流郡平取町で行われているアイヌ古式舞踊の身体部位ごとの動きを追っていく。それにより、現在までの民俗芸能研究が捉えきれなかった民俗芸能の変容の諸層を見出し、研究方法の再検討を行う。その際、研究者が民俗芸能の動きを舞踊譜に図示することの意味、また映像資料の研究における意味を捉え直していく。加えて今回の調査に当たり、平取町古式舞踊に関する映像資料のインデックスを作り参照できるようにした。


(2)小坂みゆきさん(北海道大学大学院文学研究科 専門研究員)
「朝鮮族の婚姻儀礼にみられる変化とその要因−中国吉林市の事例から−」
 朝鮮族は、中国の少数民族の総人口の1%を占め、朝鮮半島から中国への移動によって形成されてきた民族である。朝鮮族の文化形成には移動という要素が大きく関わっており、今日では、出稼ぎによる韓国と中国の往来が頻繁でありその影響も大きい。本報告は、朝鮮族の婚姻儀礼の変化とその要因について報告し、朝鮮族が直面した他民族の存在や環境の変化にどのように適応し、文化要素の選別を行ってきたのかを明らかにする試みである。

<休憩 14:45〜15:00>


(3)高橋史弥さん(三笠市立博物館)
「三笠市における葬送習俗の変容」
 三笠市の葬送習俗の変容を、社会状況を踏まえながら確認する。本発表では、葬送習俗と一定の関係があると考えられる要素で、死亡場所、葬具作りの担当、湯灌・入棺の担当と方法、火葬場や墓地への遺体の運搬方法、通夜や葬儀の場所、遺体の処理、埋葬・埋骨場所及び、葬儀に出される料理とその担当の変化の時期と原因について追跡してみた。その結果、これらの要素の変化は、全国的、あるいは三笠市の社会状況の変化と関わりがあることが確認できた。


(4)岩崎まさみさん(北海学園大学)
「応用人類学につて考える:無形文化遺産保護条約の事例」
 1972年以来、ユネスコは数多くの「世界遺産」を登録・保護してきたが、その登録件数は西欧諸国に偏重していることは知られている。これらの諸問題を背景として、2003年10月に無形文化遺産保護条約が採択され、儀礼や祭り、舞踊などの無形の文化財を保護する世界的枠組みが出来上がった。それから10年が経過し、批准国の間では、本条約の運用において文化人類学的知見が重要な役割を果たす事が意識され始めている。本報告では、文化人類学の実践的場としての無形文化保護条約、さらに条約運用に見られる諸課題を検証する。


■総 会(16:25〜17:00)

議題(予定)
・2012年度決算案、2013年度予算案
・会長、役員の改選

・学会賞の表彰


*議事録はこちらをご覧ください。



北海道民族学会 2012年度 第2回研究会

■開催日時:2012年11月11日(日)13:00〜17:15

■会場:北海学園大学 豊平キャンパス 6号棟 C30番教室
(札幌市豊平区旭町4丁目1-40、地下鉄東豊線「学園前」駅にて下車。3番出口直結)
http://hgu.jp/access/
今回の会場は北海道大学ではありません。ご注意ください。

■研究会1(13:00〜15:00)
13:00〜13:30
(1)周菲菲さん(北海道大学大学院文学研究科 博士後期課程)
「反日感情と日本の観光イメージ―訪日中国人観光者を中心に―」
 今世紀の初めから発足された「観光立国」を過去3年間の日中観光市場で振り返ると、2011の東日本大震災により引き起こされた「風評被害」と、2010年9月に発生した漁船衝突事件と、9月に発生した釣魚島の「国有化」といった情勢を受け、日本の観光イメージに思わぬ揺れが生じつつある。揺れと「反日感情」との間に、どういうつながりがあるのか。こういう「揺れ」を通じて、どういう新たな関係性が生み出されるか。本発表では、「反日感情」とイメージの揺れの関係性のメカニズムを読み解いていく。

13:30〜14:00
(2)石井智美さん(酪農学園大学)・小宮山博さん(国際農林水産業研究センター)・ラブダンスレン・チャンツアルドラムさん(韓国全北大学)
「内陸アジアの乳酒の現状と消費」
 ヒトは植物性の素材を糖源として酒を造ってきた。しかし遊牧民は、ヒツジ、ウシ、ウマ、ラクダなどの乳から、ドブロク状の乳酒、さらには自家で蒸留し蒸留酒をつくってきた。その飲用には酒という致酔飲料への嗜好性のほか、重要な民族的な健康飲料としての役割があった。21世紀に入り遊牧生活が大きく変貌する中、伝統的な発酵乳酒の飲用現状と意識について報告する。

14:00〜14:30
(3)川上絢子さん(酪農学園大学)・石井智美さん(酪農学園大学)
「日本人のシカ肉に対する意識」
 今日、我が国で食用肉と言うとウシ、ブタ、トリが挙げられる。しかし明治以前はシカ、イノシシだった。シカは殺生禁止令をはじめ、生類憐みの令でも例外として食べられてきた。北海道では近年、エゾシカが増え農業被害や事故が増大して社会的な問題になっている。エゾシカを資源として活用する方法が模索される中で、シカ肉の食用と意識について調査した。

14:30〜15:00
(4)山本香織さん(酪農学園大学)・泰泉寺さくらさん(酪農学園大学)・石井智美さん(酪農学園大学)
「パラグアイにおけるマテ茶の飲用」
 茶は様々な地域で栽培され、独自の製法によって特有の味と、香りを持つ嗜好飲料である。飲用にはリラックス効果があるなど、世界各地で日常的に好まれている。パラグアイでは年代を問わずマテ茶を愛飲している。その飲用方法は冷水抽出で、茶葉の消費が多く、共にマテ茶を飲むことが重要なコミュニケーション手段なのである。日本でもマテ茶が販売されているが、マテ茶の歴史と飲用について報告する。

<15:00〜15:15 休憩>

■研究会2(15:15〜17:15)
15:15〜15:45
(5)中村尚弘さん(Mount Allison University, CANADA)
「先住民コミュニティにおける参与型アクション・リサーチの批判的検討:平取町二風谷を事例に」
近年、先住民研究において、参与型アクション・リサーチ(PAR)の重要性が主張されてきた。PARは、研究者が研究者のための知識生産を目的とする従来型の研究とは異なり、先住民の研究プロセスへの参加と研究成果の共有、さらには先住民コミュニティの積極的な変革をも目的とする。本発表では、2000年代初頭より平取町二風谷で行われてきた各種のアイヌ文化促進事業を事例に、PARの先住民コミュニティにおける展開の妥当性を検討する。

(6)〜(8)特別セッション《北東ユーラシア地域のライフヒストリー》
15:45〜16:15
(6)永山ゆかりさん(北海道大学スラブ研究センター共同研究員)
「語りから見たカムチャッカのアリュートル民族の文化継承」
 社会主義圏における民族政策の研究は法制度にかんするものが主流であり、個人の、とくに先住民の体験についてはほとんど報告されていない。本発表ではカムチャッカの先住民であるアリュートル民族に焦点をあて、1930年代以降急激に進んだロシア化の中で、また1950年代以降に進んだ寄宿制度による親世代との断絶を乗り越えて、固有の文化をどのように継承・実践してきたのか、ある文化伝承者の語りを中心に報告する。

16:15〜16:45
(7)丹菊逸治さん(北海道大学アイヌ・先住民研究センター)
「ニヴフの言語・口承文芸調査時に採録された『生活体験の語り』」
 言語・口承文芸調査の際に同時に採録される「生活体験などの思い出話」も、語り手にとっては意味を持って語られたものである。特にいわゆる「消滅の危機に瀕した言語」の場合には、改めて別の研究者によって生活体験にかんする聞き取り調査が専門的におこなわれるとは限らない。本発表ではそういった「主たる調査目的から外れた語りの記録」について、ニヴフ語・ニヴフ口承文芸調査の例から考察してみたい。

16:45〜17:15
(8)滝口良さん(北星学園大学非常勤講師)
「社会主義体制下のモンゴルにおける個人商の活動:ポスト社会主義国におけるインタビュー・データの利用可能性について」
 本発表では、ポスト社会主義国において、「社会主義時代という過去」に対する個人的体験や記憶が有する資料的価値の検討を目的とする。具体的な事例として、社会主義体制下のモンゴルにおいて非合法な個人商を営んでいた一人の女性からのインタビュー・データをとりあげる。このデータの検討を通じて、社会主義時代の記憶をめぐる個人の「語り」が、公式の歴史とは異なる社会主義体制下の日常生活の一側面を照らしだす重要な資料となることを示す。

*終了後、懇親会を予定しています。




北海道民族学会 2012年度 第1回研究会・総会

■開催日時・会場
   日 時: 2012年7月8日(日) 
        【研究会】 13:00〜17:15  【総 会】 14:30〜15:00
        
   会 場: 北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟(通称:W棟)W309教室
         (札幌市北区北10条西7丁目、地下鉄南北線北12条駅下車・徒歩10分)

■研究会 (13:00〜16:45)

13:00〜13:30
(1)井上淳生さん(北海道大学大学院文学研究科 博士後期課程)
「縁をつくる試み:カップル化が生むつながりと分離」
 本報告の課題は、日本の社交ダンスを事例に、「ヨコ」のつながりによって結びついた集団において構成員が互いに関係し合う様相を考察することである。人類学ではこれまで、集団における構成員同士の結びつきを説明する際に、血縁や地縁という「タテ」のつながりを表す概念の他に、社縁や約縁といった「ヨコ」のつながりを表すものも使用されてきた。本報告では特に後者の縁によって結びついた集団の例として日本の社交ダンスに注目し、「ヨコ」のつながりによって結びついた集団が日本の文脈においていかなる位置を占めるのかを検討する。


13:30〜14:00
(2)小西信義さん(北海道大学大学院文学研究科 博士後期課程)
「なぜ、おじいちゃんは雪はねがうまいのか?〜採炭と造材からルーツを探る〜」
 2011年・12年冬季、旧産炭地域美流渡地区で人力除雪に関してのフィールドワークを展開する中で、興味深い語りと観察結果を得た。一つ目は、スコップの握り方に作業者の工夫が見られたこと、二つ目は、除雪道具を用いず、雪を踏み固めている人びとがいたことであった。本発表では、この二つの除雪技術のルーツを、作業者がかつて従事していた採炭業及び造材業に関する聞き取り調査と文献資料によって確認した内容を報告する。


14:00〜14:30
(3)高泉 拓さん(札幌大学 非常勤講師)
「銃「文化」の生成:1992年日本人留学生射殺事件を通して 」
 1992年にアメリカ南部の郊外で、パーティに行こうとしていた日本人留学生が間違った家宅を訪問し、家主に射殺された。事件は、日本、全米、地元でも関心を集め、裁判はより公的な性格を帯びていった。この後に行われた刑事裁判と民事裁判では、正当化の語り口、発砲の正しさの基準、法的判断がまったく異なっていた。この二つの裁判の比較を通じ、社会規範や価値観に規定されたものとしてその発砲や銃文化を捉えることができるのか、が検討される。


■総会(14:30〜15:00)

<15:00〜15:15 休憩>


■研究会  (続き)

15:15〜15:45
(4)久井貴世さん(北海道大学大学院文学研究科 博士後期課程)
「江戸時代におけるツルと人との関係史―東日本における分布と季節移動を中心に―」
 現在の日本では、北海道、山口県、鹿児島県という限られた三地域がツル類の主な生息地となっており、北海道では周年、山口県と鹿児島県では越冬期にみることができる。一方で、江戸時代のツル類は現在よりかなり広範な地域に分布し、季節移動の形態も多様なものであったことが文献から確認できる。本発表では、江戸時代の「産物帳」の記載から明らかになった当時のツル類の分布と季節移動について、東日本における事例を中心に報告する。


15:45〜16:15
(5)梅木佳代さん(北海道大学大学院文学研究科 博士後期課程)
「エゾオオカミをめぐる歴史と文化―北海道アイヌのオオカミ観についての再検討―」
 過去の北海道におけるエゾオオカミ(Canis lupus rex)と人との関係に対する社会的な関心は高く、これまで約100年間にわたる考察の蓄積がある。しかし、その対象とされる事例が実際に適切かどうかはこれまで検討されていない。
 本発表では特に北海道アイヌのオオカミ観について、先行研究に見られる記述とオオカミがあらわれるアイヌ口承文芸の内容との比較を行う。その結果から、先行研究を再検討する必要性を指摘するとともに、従来は考察対象とされてこなかったオオカミに対する認識も明らかにする。


16:15〜16:45
(6)櫻間 瑛さん(北海道大学大学院文学研究科 博士後期課程)
「エスニック・シンボルとしての教会−現代ロシアにおける宗教と民族の交錯について」
 旧ソ連圏においては、ペレストロイカ以降に、民族復興と宗教的な自己意識の向上が見られた。そして、この両者はしばしば密接に関連するものとして理解されている。
 本報告では、ムスリムが大半を占めるタタールの中で、ロシア正教を受け入れた集団とされ、近年自らを独自の民族とする運動も展開しているクリャシェンを取り上げる。そして、彼らの教会に対する認識を通して、自身をムスリム・タタールといかに差異化しているのかを検討し、現代ロシアにおける人々の民族的・宗教的自己認識の複雑な絡まり合いについて考察する一助としたい。



*発表者に予定されていた石原真衣さん(北海道大学大学院文学研究科博士後期課程)の「先住民族への道のり―近現代における「アイヌ民族」の再編成に関する文化人類学的研究」は、本人の事情によりキャンセルとなりました。


*議事録はこちらをご覧ください。





北海道民族学会 2011年度 第2回研究会

■開催日時・会場
   日 時: 11月13日(日)13時〜16時45分  
   会 場: 函館市地域交流まちづくりセンター 3F研修室
         (函館市末広町4番19号 TEL:0138-22-9700)


■研究会プログラム

○講演 13:00〜13:50

中村和之さん(函館工業高等専門学校 教授)
「13〜18世紀の中国史料にみえるアイヌ」

< 休憩 13:50〜14:00 >

○研究会 14:00〜16:45

(1)14:00〜14:30
滝口良さん(北星学園大学 非常勤講師)
「社会主義モンゴルにおける文化的人間の育成:牧民家庭における文化教育とアジテーション活動を中心に」

1950年代、モンゴル人民共和国では社会主義建設が本格化し、地方の遊牧生活は集団化と定住化によって大きく変化しようとしていた。
本発表は、再編の過程にあった地方の遊牧民家庭(ホト・アイル)に対して行われた文化教育活動をとりあげ、「文化的人間」の育成に動員された知識や実践について検討する。

(2)14:30〜15:00
片桐保昭さん(北海道大学大学院 文学研究科 専門研究員)
「ブラボー!喝采が生んだ広場:文化人類学から広がるまちづくりの視点」

人と人、モノが予期せぬ関わり合いを経て「文化」に至るのなら、都市空間は文化以前の境界状態を予持する領域ともいえる。この空間は公共的な機能を明確化できぬゆえに人類学なくして作ることはできない。
本発表ではこの事例として、本年6月12日に小樽文学館美術館多目的広場で行われたサイエンスカフェ「ダンス・文化・ランドスケープ」(本学会後援)を報告し、まちづくりへ文化人類学 を応用するための視点を提示する。

(3)15:00〜15:30
山田敦士さん(北海道大学大学院 文学研究科 専門研究員)
「中国雲南省ワ族の文字使用に関する社会言語学的考察」

中国雲南省に居住するワ族は、伝統的な表記習慣のない集団である。しかし20世紀になり、二種類のローマ字表記法(宣教師式、政府式)および漢字がもたらされ、現在、一部に文字使用の実態が生まれている。
本発表では、フィールド調査による新しい知見に基づき、ワ族の文字使用に関わる動態を分析する。
主な論点は次の二点である。
 1)「使用領域」の観点から、文字間に棲み分けと競合の状況がみられること。
 2)文字の選択に関して、実用性(言語学的な価値)を越えた選択がなされていること。

< 休憩 15:30〜15:45 >

(4)15:45〜16:15
大矢京右さん(市立函館博物館 学芸員)
「市立函館博物館所蔵八雲関連アイヌ資料」 

かつて蝦夷地と呼ばれた北海道には、多くのアイヌが居住するとともに、本州から渡ってきた和人も混住していた。特に北海道南部は中世以降漸次和人が渡道して生活基盤を固めており、伝統的な生活を営むアイヌの集落は全道的に見て少なかった地域であると言える。従って、道南地域で収集されたことが判明しているアイヌ資料は全国的にも極めて稀で、その一部が市立函館博物館に収蔵されていることもあまり知られていないのが現状である。
本発表では市立函館博物館が所蔵する八雲関連アイヌ資料について、文献調査および聞き取り調査をとおして判明した事実とともに紹介する。

(5)16:15〜16:45
西村幹也さん(NPO法人北方アジア文化交流センターしゃがぁ 代表)
「トナカイ乳加工の過去と現在 -トナカイ牧畜の草原化-」

モンゴルのトナカイ飼育民トバ人の乳加工および利用方法が、社会主義時代から現在に至るまでいかなる変化を経てきたかを概観し、トナカイ利用における草原化の様子を明らかにする。

                 

ミュージアム・トーク、懇親会について≫ (12日開催)

◇ 「ミュージアム・トーク」  (当学会後援)
     講 師  児島恭子氏
     タイトル 「アイヌ文化の謎を探る−文様の神秘と呪術−」

     日 時  11月12日(土)14時〜
      場 所  函館市北方民族資料館 (函館市末広町21-7)
     参加料  300円

     申込み : 10月31日(月)までに、下記の中村先生のアドレスまでメールでお願いいたします。
             nakamurhakodate-ct.ac.jp  (★→@に変換してください)

 * ミュージアム・トーク終了後、会員の大矢京右さんに函館市北方民族資料館の展示解説をしていただきます。ご参加の方は、会場にそのままお残り下さい。


◇ 「懇親会」

     日 時 11月12日(土)18時〜20時
     会 場 蟹喰楽舞(かにくらぶ) 函館市大手町8-8 (函館国際ホテルの向かい) :0138-22-1900
     会 費 5000円

     申込み : 10月31日(月)までに、下記の中村先生のアドレスまでメールでお願いいたします。
             nakamurhakodate-ct.ac.jp  (★→@に変換してください)


*11月13日(日)10時〜11時の予定で、市立函館博物館の展示案内を行います。事前の申込みは要りません。時間までに、博物館の入口にお集まり下さい(入館料が必要です)。

*11月13日(日)のみ、札幌圏からの日帰り参加も可能です。<JR北海道時刻表




北海道民族学会 2011年度 第1回研究会・総会

■開催日時・会場
   日 時: 2011年7月10日(日) 
        【研究会】 13:30〜15:30  【総 会】 15:45〜16:15
        【学会設立30周年記念講演会】 16:30〜17:30  
   会 場: 北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟(通称:W棟)W309教室
         (札幌市北区北10条西7丁目、地下鉄南北線北12条駅下車・徒歩10分)

■研究会プログラム 13:30〜15:30

(1)13:30-14:00
石原真衣さん(北海道大学大学院 文学研究科 修士課程)
「「土人」から「先住民」へ-現代のアイヌ民族に関する文化人類学的考察」
1982年の国連における先住民に関する作業部会の結成を契機に、国際社会というアクターが表舞台に登場した。以降、アイヌ民族の自己認識や自己表象は、それ以前とは異なる様相を呈するようになった。現代を生きる「先住民」を理解するために、国際社会が介入する以前の彼らの自己認識や自己表象を検討し、かつての「滅びゆく民族」や「土人」から今日の「先住民」へと変貌する過程を考察する。アイヌ民族は、様々な社会背景や時代背景のもとで、様々なアクターの相互影響を受けて「先住民」となった。その実態について解明する。

(2)14:00-14:30
周フィフィさん(北海道大学大学院 文学研究科 博士後期課程)
「北海道の国際観光イメージの生成及び変容のメカニズムに関する文化人類学的研究-「ポスト地震時代」の来道中国人観光者の実態及び受け入れ対策を中心に-」
3 11東日本大地震後に激減した東アジアから来道する観光者が台湾や香港を中心に回復し始めているが、ただ中国大陸からの観光者は回復の兆しは見えない。根本的な理由は、単一化されているマスコミの報道にあると思われる。3 11以来、東日本の揺れが日本全土の揺れ、更に日本の売りであった「安全」のイメージの揺れとなっているという歪曲されたイメージが宣伝されている。そういう中、インターネットで流通する観光経験は、観光地のイメージ再生に大きく寄与する力を持っている。そこで、インターネットを通して国境を越えて共有される観光イメージに着目し、観光における風評被害の実態を文化人類学的立場から迫り、払拭対策を試みる。

(3)14:30-15:00
井上淳生さん(北海道大学大学院 文学研究科 博士後期課程)
「日本社交ダンス界における「競技化」の進展と商慣行」
本報告の課題は、日本の社交ダンス界において進められてきた「競技化」の過程を整理し、そのもとで現在いかなる商慣行が展開されているのかを明らかにすることである。日本にとって社交ダンスとは元来、西洋のものである。本報告を、社交ダンスが明治期に日本に紹介されて以降、どのような経緯で現在のようなものとして社会に位置付いているのかを、今後、人類学的に考察するきっかけにしたい。

(4)15:00-15:30
西村幹也さん(NPO法人北方アジア文化交流センターしゃがぁ 理事長)
「トナカイ飼育民ツァータンの生活変化 -”金”に翻弄されるタイガ社会-」
2000年ごろより外国人旅行客が増え、“ツァーチンセンター”が作られるなど組織的な観光業への適応を始めたトナカイ飼養民ツァータンは経済的に徐々に豊かになっている。そして、さらに、2009年秋には金鉱山採掘が始まり、特需が生まれるなど、彼らを取り巻く経済状況は、周囲のモンゴル人たちより恵まれはじめたように観察される。この近年の社会変化によってトナカイの飼育方法や営地選択原理などにどのような変化が起きているのかを考察してみたいと思う。

 <休憩 15:30-15:45>                      

■総 会 15:45-16:15

 <休憩 16:15-16:30>

■学会設立30周年記念講演会 16:30〜17:30

岡田淳子先生(本学会顧問)
「ポトラッチ儀礼の復活と効用」
米国の研究者によって進められ報告されたポトラッチ儀礼は、1884年の禁止令以来社会の表面から姿を消し、1950年を過ぎて復活している。1987年から始めたアラスカ南東部の現地調査で、80年ぶりという大がかりなポトラッチ儀礼に招待され出席した。当該文化圏の北部で盛んな死を完成させる儀礼を中心に、母系の継承、養子の承認、成人の確認、親族の返礼、などが含まれる。富の平均化が図られ、コミュニティーのほぼ全員が出席して3日間共食し歌い踊り、結束の強化が目に見えてきた。


*議事録はこちらをご覧ください。



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